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おんびらだより

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2026年07月09日

りんごの木オーナー制度を、「農業とつながる制度」へ

~はじめに~

「おんびらだより」をお届けします

いつも、りんごの木オーナー制度に温かいご理解とご支援をいただき、誠にありがとうございます。
この制度は、単にりんごを購入していただくための仕組みではありません。
都市に暮らす会員の皆様と、飯綱・三水の農業の現場をつなぎ、りんごが育つ時間、農家の努力、自然との向き合い方を共に感じていただくために続けてきた制度です。
しかし近年、コロナ禍を経て、現地に足を運んでいただく機会が少なくなり、「りんごを送ってもらう制度」「農産物を買う制度」として受け止められる場面も増えてきました。
そこで今年から、りんごや三水米の生育状況、農家の思い、気候の変化、地域農業の課題などを、会員の皆様に少しずつお伝えするため、「おんびらだより」をお届けすることにいたしました。
一箱のりんご、一袋のお米の向こう側にある、土、気候、人の手間、そして地域の未来を、皆様と分かち合っていきたいと思います。



1 今年のりんご畑から

飯綱・三水地域のりんご畑では、今年もサンふじを中心に、収穫に向けた管理作業が続いています。
りんごは、ただ木になった実を収穫するだけの作物ではありません。
春の花の時期から、摘花、摘果、草刈り、防除、枝の管理、日当たりの調整、台風や霜への備えなど、一年を通して手をかけ続けることで、ようやく秋の実りを迎えます。
特に近年は、気候の変化が大きくなっています。
春先の霜、夏の猛暑、急な大雨、秋の気温変化など、農家が向き合わなければならない条件は、年々厳しくなっています。
それでも、りんごの木は毎年花を咲かせ、実をつけます。
その実りを守るため、農家は毎日畑に立ち、木の様子を見ながら、必要な手入れを重ねています。
オーナーの皆様にお届けするりんごは、そうした一年の積み重ねの中で育っています。

2 りんごの木オーナー制度の原点

りんごの木オーナー制度は、単なる販売促進ではありません。
この制度の原点は、

  • 「都市の人が農業の現場を知ること、感じること」
  • 「農家と会員が顔の見える関係をつくること」
  • 「地域農業を、消費者と共に支えること」

にあります。
りんごを食べるだけでなく、りんごが育つ地域を知る。
農家の声を聞く。
気候や土や人の手間を感じる。
そして、農業が続いていくために、自分も少し関わっていると思える。
それが、この制度の本来の意味だと考えています。
今年は、あらためてこの原点に立ち戻り、会員の皆様との距離をもう一度近づけていきたいと思います。



3 農業を取り巻く現実

農業の現場では、いま大きな変化が起きています。
肥料、燃料、農業資材、包装資材、配送費、人件費など、農業に必要なコストは上昇しています。
また、担い手不足や高齢化も大きな課題です。
さらに、気候変動によって、これまでの経験だけでは対応しきれないことも増えています。
「いつもの年なら大丈夫だった」という感覚が通用しにくくなり、農家は毎年、自然の変化と向き合いながら判断を重ねています。
農産物の価格は、単に市場価格だけで考えることはできません。
そこには、土を守る費用、木を守る手間、人を育てる時間、来年も農業を続けていくための力が含まれています。
私たちは、会員の皆様に「安く買う」ことだけではなく、「納得して支える」農業へのご参加をお願いしたいと考えています。



4 おんびら農園が大切にしていること

おんびら農園では、安心して召し上がっていただける農産物をお届けするため、日々の栽培管理を大切にしています。
りんごもお米も、見た目や収量だけを追い求めるのではなく、土の状態、木や稲の状態、気候の変化を見ながら、丁寧な作業を積み重ねています。
農業は、工場のように同じものを同じ条件で作ることはできません。
暑い年、雨の多い年、霜の厳しい年、それぞれに違う難しさがあります。
だからこそ、農家の経験と判断、そして手間が大切になります。
会員の皆様には、ぜひ農産物そのものだけでなく、そこに込められた一年の努力も感じていただければと思います。

5 三水米という、もう一つの秋の実り

収穫祭では、例年、三水米も販売しております。
三水米は、りんごと同じく、寒暖差の大きい地域で育てられたお米です。
昼はしっかり日を浴び、夜は涼しくなる。
この寒暖差が、りんごの甘みを育てるように、お米にも甘みと旨みを与えてくれます。
三水米は、派手な宣伝が得意なお米ではありません。
しかし、炊きたてはもちろん、冷めてもおいしく、毎日の食卓でしみじみと味わっていただけるお米です。
ご家庭用としてだけでなく、離れて暮らすご家族や、日頃お世話になっている方への贈り物としても、ぜひご検討ください。
一袋のお米は、毎日の食卓につながります。
そして、その一袋は、地域の田んぼを守り、農家が米づくりを続ける力にもなります。

6 今年の収穫祭について

収穫祭は、りんごや三水米を受け取るだけの日ではありません。
農家の話を聞き、畑の様子を見て、今年の気候や収穫状況を共有し、会員の皆様と農業の未来を語り合う大切な機会です。
ぜひ、現地に足をお運びいただき、飯綱・三水の空気、畑、農家の声に触れていただければ幸いです。
今年は、三水米の試食や、りんごの生育状況の説明なども行い、より農業を身近に感じていただける収穫祭にしたいと考えています。



7 会員の皆様へのお願い

りんごの木オーナー制度は、会員の皆様のご理解とご支援によって続いてきました。
これからの時代、この制度を単なる農産物の販売制度として続けるだけではなく、農業を知り、農家を支え、地域の未来を共に考える制度として育て直していきたいと考えています。
一箱のりんご。
一袋の三水米。
その一つひとつが、飯綱・三水の農業を支える力になります。
どうか今年も、りんごの木オーナー制度ならびに三水米へのご理解とご参加をお願い申し上げます。

8 農家からのひと言

今年もりんごの木は、春に花を咲かせ、少しずつ実を大きくしています。
農業は毎年同じようで、毎年違います。気候に悩まされることもありますが、皆様においしいと言っていただけることが何よりの励みです。
収穫祭で皆様にお会いできることを楽しみに、今年も畑で頑張っております。

9 編集後記

これから、りんごの生育状況、三水米のこと、農家の作業、気候の変化、収穫祭の様子などを、会員の皆様にお伝えしていきます。
農業は、遠くにあるものではなく、私たちの食卓と地域の未来につながっています。
この便りが、会員の皆様と農業の距離を少しでも近づけるきっかけになれば幸いです。

長野都市経営研究所 新産業創出部会 副部会長 掛谷 嘉則