【事務局見聞録】
  循環型農業に取り組んでいる高山村の視察報告

3.11東北大震災による福島原発の未曾有の大事故の教訓や地球温暖化防止対策等から、現在、自然に優しい循環型社会の構築が急がれており、太陽エネルギーで動植物が生み出す「再生可能資源=バイオマス」の利活用が重要な課題になっています。

今回、NUPRI事務局では、鷲澤前市長からのご紹介もあり、早くから環境保全型・循環型農業に取り組み、村の活性化に取り組んでいる高山村を視察し、特に「ソルガム」の栽培について、高山村の産業振興課・課長補佐兼農政係長の小渕義彦氏から、栽培に取り組まれた目的や活用策についてお話しをお聞きしてきました。(同行者:轟 光昌長野市監査委員、越 幸雄社団法人長野県環境保全協会企画部長兼エコスペース館長)

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ソルガムの子実と茎葉
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ソルガム栽培畑

 

ソルガムは、子実と茎葉の全てが活用でき、子実は、味噌・醤油・酢・酒・麺類・菓子・おやき等に加工して、高山村の特産品として一部試行製造しているとのことで、その栄養素は、白米に比べビタミンE28倍、食物繊維20倍、鉄11倍、マグネシューム7倍となっており、ポリフェノールはタンニン系カテキンと同様で、赤ワイン・お茶・柿等に含まれる成分と同じで白米の6倍含まれているとのこと。加えて、食物アレルギーは陰性で、アレルギー体質の人に優しい食品とのことです。
茎葉は、きのこ培地や家畜飼料に活用され、更に牛糞の堆肥はソルガムの栽培肥料として活用されるという正に「循環型農業」を形作っています。

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ソルガムの胡麻菓子

また、ソルガムの絞りかす(ソルガムバカス)は発電効率が高く、燃焼ガス発電プラントによる電力供給も今後の大きな魅力ですが、設備建設費用等クリアすべき課題が多く、当面高山村では発電は視野に入っていないとのことでしたが、将来的には「再生可能エネルギー」としての利活用にまで敷衍すれば、農村に新産業が生まれ、中山間地の活性化に繋がるのではないかと感じました。
*長野市ホームページ・サイトマップの「長野市メールマガジン599号」もご参照下さい。

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ソルガム栽培畑を背景に
(中央)小渕高山村産業振興課課長補佐兼農政係長
   (左)轟長野市監査委員
   (右)越長野県環境保全協会企画部長

<本件照会先>

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